結局きょうも、さもあらばあれ

子離れせねばと思うこの頃…

PVアクセスランキング にほんブログ村

『にっぽんいちのきびだんご』

 今夜の読み聞かせは、『ももたろう』(文:松井直、画:赤羽末吉、福音館書店)だった。今まで何度も何度も読んでいる、我が家に限らず昔話の定番である。が、ふと今日になって初めて、『にっぽんいちのきびだんご』に気づいてしまった。


 このきびだんご、ひとつ食べたら『十にんりき』なのもすごいが、とにかく『にっぽんいち』である。これはすごいに決まっている。決まっているのだが、いったい何が『にっぽんいち』なのか、なんにも書いていない。大きさか、おいしさか、はたまた高価なのか、お得なのか、カロリーの高さか、消化の良さか、考えても考えても、しっくりいくものがない。桃太郎が旗に『日本一』と記しているのは「強い」とかなのだろうが、だんごはなんなのだ。


 気になって気になっていたら、ふと思い出した。『かにむかし』(文:木下順二、絵:清水崑、岩波の子どもの本)でも、子ガニどもが『にっぽんいちのきびだんご』と引き換えに助太刀を増やしていく。この、「かにどんかにどんどこへゆく」「さるのばんばへあだうちに」「こしにつけとるのはそりゃなんだ」「にっぽんいちのきびだんご」「いっちょくだはりなかまになろう」「なかまになるならやろうたい」というやりとりは、なにも見ずに入力できる。テンポが楽しくて、必ずあうとかけあいをする部分だ。もしも『にっぽんいち』がなければ、楽しさ半減、というかかけあいをするに値しなくなる。それどころか、もらいたい気分もわかず、子ガニどもだけでさるのばんばへ押しかけることになるだろう。


 『ももたろう』のみならず、『かにむかし』でも『にっぽんいちのきびだんご』と言っているのだから、いよいよなにかありそうな予感がするのが人情というものだ。
 ネットで検索してみたところ、『日本一』を冠したきびだんごが北海道で販売されているらしいことはわかったが、まさか昔話でこのメーカーのきびだんごが出てくるはずはない。そして、なにが『にっぽんいち』なのかは誰も相手にしていないようだった。


 どうか、どなたか、私に教えて欲しい。『きびだんご』のなにが、『にっぽんいち』なのか。


 K市内にあるI屋という和菓子屋(?)のきびだんごが大好物だった。野球部のIくんがI屋の息子だと知ったときは、担当しているクラスではないことを非常に残念に思ったものだった。それぐらい、好きだった(注:きびだんごの方、念のため)。でもあれは、大きくてあんが入っていて、きび大福とでもいうべきもので、岡山土産にいただいた箱入りのきびだんごとはまったく違うものだった。『にっぽんいち』とは関係なさそうだが、久々に食べたくなった。

×

非ログインユーザーとして返信する