それは大量の、日頃ついぞお目にかかることはないオットの満面の笑みである。
　現在、幼稚園には、父の日に行われた行事、親子体操の時に写真やさんが写してくれた大量の写真が、注文を取るために掲示されているのだ。

　今回は幼稚園の新聞委員でもあるので親子体操はオットの一眼レフを初めて借りて大量に写真を撮ったため、写真屋さんの写真は買わなくていいかと思っていたのだが、「あうくんとお父さん、けっこうたくさん写ってたよ」とクラスメートのお母さん数人にそれぞれ言われ、見に行ってみたところ、とても良い笑顔を目の当たりにしたのだ。
　中には父子のアップ（他の父子のアップは目に付かなかった・・・）の写真まであり、私が注文せねば誰もしないだろうからと『責任』の二文字を思い浮かべつつ、「３３０」はじめ、注文用の封筒に9枚分も記入してしまった。

　オットは、自身の笑顔が幼稚園の廊下に大量に張り出されていることをまだ知らない。必ずあうと一緒に写っているため、あうを知っている人は、あうの父親はこの人かと思いつつ、その笑顔を目にしている。「あら素敵」とほめてくださった方までいるのだ。
　このことをオットに話したものかどうか、ほんの少し悩んだが、とりあえず話さずに日記に書いておくことにした。