結局きょうも、さもあらばあれ

子離れせねばと思うこの頃…

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義母は元バーテンダー

義母は、かつて新宿などで、バーテンダーをやっていた。年齢から考えて、昭和30年代だと思われる。
短大卒であったが何も仕事がない時代で、食べていくためにお金がよかったからだと言う。
義母は、技術(例えば、シェイカーからグラスについだときぴったりになるように目分量でつくる、とかいろいろ)に誇りを持ち、技術を磨くことを日々の目標としていたようだ。できたばかりのバーテンダーの組合だかの初代の婦人部の役にもついていたというから、知る人ぞ知る存在だったのかもしれない。


だから、エピソードも、孫に次々と貢ぐおばあちゃんという現在の姿からは想像も信じることも難しいようなものが続く。
男性のバーテンダー3人を見習いから一人前に厳しく鍛え上げたのが自慢だ、とか、その筋の人がカウンターの前と中に来てカネを出せと刃物をつきつけられたが2時間後にマネージャーが戻るまで動じなかった、とか、店のサンドイッチマンが引き抜きの話を複数持ってきてカネがいいほうへ行くとそのときのマスターの前で宣言してカネはいいがきついママがいる店にうつった、とか、店の女の子たちに説教するときは革のスリッパで床をダンっと踏んで脅かした、とか、着物でドラムをたたく女性ドラマーと組にして大きな店で大々的に売り出そうという話があったが女性ドラマーが急死してその話は立ち消えになった、とか、当時1万円の”パー券”(と義母は言った)を店中で一番売りさばいたのがカウンターにいて寡黙にシェイカーをふっている義母だった、とかだ。詳細はぼかして語られるが、頭の回転が速くて、この上なく気が強いので、そうだったのだろうなと思う。


今ならともかく、女性でありながら何ゆえそんな時代の新宿のバーテンダーに行き着いたかなど、単なる好奇心からいろいろ聞き出してみたいのだが、ヨメの身では恐くて聞けない。自尊心の強い人なので、本当に聞きたいところは答えてもらえないどころか口をきいてもらえなくなるかもしれないと思う。でも、やっぱり興味も捨てきれないので、とりとめのないまま、ここに書いてみた。

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