結局きょうも、さもあらばあれ

子離れせねばと思うこの頃…

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受験生の親の気持ちを知る

 ここ10日ほどの間に、通勤途中の担任の先生と3回ばったり会った。
 記憶では、学校以外ではお会いしたことはない。特にご心配、お手数をおかけするこの時期にきてこの高頻度である。否が応でもあいさつに熱が入る。


 初めて出くわしたのは、お互い仕事に向かう途中で地下鉄の駅近くだった。初めて会ったという感動も大きく「今日もよろしくお願いします。」とお辞儀までして邂逅の喜びを表現した。帰宅した後、あうにその様子を話すと、朝の会で、あるお母さんから今日もよろしくと言われた、という話をされていたと言う。あうは関係ないと思ってよく聞いていなかったと言い詳細を語らなかったが、先生は親の気持ちについて言及したのではないかと思う。
 その翌日も、まったく予期せず同じような場所で同じような感じであったので、とまどい5割、内心ウケたの5割で、「おはようございます。」しか言えなかった。きっと微妙な表情をしてしまっていたと思う。失礼しました。


 3度目はつい先日、今度は帰宅途中である。あうと親友の件への対応のお礼と、親としての感想を伝える。先生のお話によると、あうの親友はしっかりと嫌だと思った点をあうに伝えることができていて担任として受け持ったことはないながら成長を感じたそうだ。最初は照れもあったのかごしょごしょ言ってはっきり謝れなかったあうも、それを受けて、あうの至らなかった点や反省の気持ちを親友に伝えられたという。本人の反省度合いや先方へ十分に謝罪の気持ちを伝えられたのかが判断つかず心配していたので、聞けて良かった。
 そのときに、今回のことを私がとても気にしているからか、私に対しても温かい言葉をかけてくださった。


 それは 労いや慰めや励ましとかではなく、さりげない先生の感想だった。
 出願用の調査書を依頼するとき私が使った封筒のことである。
 受験生のわが子への応援には的外れかもしれないと自分でも思うが、書類の受け渡しをする封筒になんとなくこだわりたくなり、近所の文房具店ではあったが、厳選したのだ。どうしてか紺の封筒を受け渡している様子が頭に浮かんだのだが、事務用の封筒を使う人がほとんどだろうと思いなおし紺はまたの機会に封印、しっかりした材質で地模様のあるベージュ系の封筒を選んだ。
 先生は、私の封筒をご覧になって、私が子育てを楽しんでいると感じた、というようなことをおっしゃった。そして、あうにもその話をしてくださったそうだ。


 ただそれだけの話ではあるが、我が子の受験において祈る気持ちさえある親の心情を理解してくださったのだ。なにも言わなくても、ただ一人だけかもしれなくても、私の気持ちを感じてくれる人がいた。今まで考えたことがなかったが、気持ちに寄り添ってくれる人がいる、そういう人がいると知るということが、こんなにも励まされ心強く思えるとは。
 私は改めて、自分が日常のことに案外一生懸命取り組んでいて、かなり疲れていたことに気づいた。
 そうだ。受験生の親は、受験生と同じように頑張っている。身も心も、受験生と同じように疲れている。子どもが気づかないようなことも、どれだけ細かい配慮を重ねて日々を送っていることか。感謝されたいわけでなく、ただ子どものためを思って。子どもが受験生でなくても同じだ。手間をかけ心配し先回りし、自分のことは後回しなのだ。しかも、尽きることなくいつまでも。


 日頃、他者への共感度が低いと思うが、これからは、すべての親と共にありたい。
 先生のおかげで気づくことができた。


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